バランス検査の進め方!外乱刺激で評価すべき正しい反応

2019年4月7日

ダイ吉
ダイ吉
皆さんこんにちは、理学療法士のダイ吉です!

患者さんを観察していて、バランスが悪いと思っても、何を評価したら良いのか、解らないという経験はありませんか?

高齢者になれば、バランスは低下します。

さらに、疾患や障害を持てば、姿勢や動作への影響も大きくなるでしょう。

新人PT
新人PT
バランスが悪いことを、具体的に評価で示すのが難しいですよね。
ダイ吉
ダイ吉
そうなんだよね、どこがどう影響していて…、ってところが解説できないとね。

仮に、バランス能力低下!と問題点に挙げたいのであれば、何をどうやって判断したのか、この程度の評価はしておきたいところです。

そこで今日は、バランス検査の定番である、外乱刺激に対する正しい反応について、解説していきたいと思います。

ダイ吉
ダイ吉
バランス検査が苦手!っていう新人セラピストに向けて、簡単に進めていくよ!

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バランスの評価方法

バランスが悪い!

これって、特別な知識や経験がなくても、誰でも簡単に見抜けますよね。

バランスで評価すべきことは、目に移った現象を具体的に捉え、見た目だけの感想ではなく、分析した結果を提示することです。

そのためには、対象者のバランス反応を、細かく、1つずつ見極めていく必要があります。

しかし、バランス検査といっても、

 ・立ち直り反応

 ・ステップ反応

 ・Time up and go test

 ・Functional reach test

 ・Berg balance scale

このような項目が浮かぶだけで、実際に患者さんの能力を、見極められない人が多いです。

新人PT
新人PT
いつも、BBSの点数が低い!
TUGのタイムが遅い!という情報だけで終わっちゃいます。
ダイ吉
ダイ吉
う~ん、それだけでバランス能力が低下!って、ちょっと短絡的だよね。

普段から皆さんは、

 バランス能力が低下している!

と、理学療法士らしい判断をしていますか?

外乱刺激でバランス検査

患者さんのバランスを評価するのに、手っ取り早いのが、バランスが崩された時の、反応を観察する方法です。

大抵の人は、突き飛ばされた時、足を前に出し、支持基底面を広げる、ステップ(ステッピング)反応が出現します。

このように、重心が移動する程の外力を与えることを、外乱刺激と呼びます。

しかし、いきなり突き飛ばされたら、誰だって不信感を抱きますので、この検査は、患者さんとの関係が、ある程度構築されてから行います。

ダイ吉
ダイ吉
押される方も、押す方も、少し恐怖がある検査なんだよね。

それでは、外乱を使ったバランス反応の評価方法を、1つずつみていきましょう。

外乱に対する反応

外乱刺激は、ステップ反応だけを観るために行う訳ではありません。

当然、無言のまま突き飛ばせば、ステップ反応が出ると思います。しかし、事前に後ろへ押すよ!と言われれば、

きっと、このような反応が出るはずです。

外乱刺激を与える前に、既に準備ができるのか?これを評価しておきましょう。

では、実際に外乱刺激を与えた時、どのような反応がでるのか、これを知っておきましょう。

弱い外乱刺激の場合

外乱を加える力が弱いと、患者さんは、その場で耐えることを選択するはずです。

わざわざ、足を出すのは手間ですからね。

例えば、肩を後方へ押さたのであれば、重心が支持基底面から外れないよう、腹筋に力を入れて体幹を前屈させるでしょう。

もしこの時、「耐えるのが大変」と判断した場合、刺激を受けている肩甲骨を脱力させる方法に切り替えると思われます。

外力を受けている肩を後方へ引き、力をいなすことで、重心をその場に留めるという反応です。

さらに腰椎を伸展させ、上肢や足関節の動きにより、後方へバランスが崩れるのを阻止します。

もし、弱い外乱刺激を骨盤に与えれば、

きっと先程とは違い、何とか重りを前方へ残すための、屈曲運動が主体となるでしょう。

ダイ吉
ダイ吉
後ろに反り返る or 頭を前に出す、刺激を加える場所で反応が変化!

このように、バランス検査といっても、肩甲帯と骨盤、それぞれの反応を評価していく必要がありますね。

強い外乱刺激の場合

外乱刺激を強くする理由は、重心が支持基底面から外れた場合、どういった反応が出てくるのかを知るためです。

普通は、すぐに足を出すはずです。

しかし、足を出さなくては!という判断が遅いと、止まれずに転倒することがあります。

これは、後方引き倒し検査(Pull test)と呼ばれるもので、パーキンソン病患者さん対し、実施する検査です。

さらに、前方、側方(左右)を検査するのであれば、結構、手間が掛かりますね…。

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評価すべき項目

さて、外乱刺激に対する、反応の解説は終わりました。

次は、その反応が、実際に使えるものなのかを判断していく番です。

能力と環境について

筋力、可動域、感覚なども大事ですが、認知や注意力、そして判断能力だって、バランスには必要不可欠な能力です。

例えば、平行棒内で外乱刺激を与えた時、大抵の人はステップ反応よりも、平行棒に掴まり、手で支える方を選択するでしょう。

足を出すよりも、近くの物に掴まる方が、簡単だし、確実なので当然です。

しかし、握力が極端に弱い方であれば、足を出すことを選択するかもしれません。

バランスは反射ではなく、反応です。

そのため、何をどの順番で出すのか、これは患者さんによって変わってきます。

その時、自分が1番信頼できる方法を判断し、環境に合わせてバランスを取るのことが、正常な反応ということなのですね。

ダイ吉
ダイ吉
当然、バランスを取るための材料が多い人が、バランス能力が高いってことね。
新人PT
新人PT
なるほど!そしてさらに、正しい判断ができる能力が必要なんですね。
ダイ吉
ダイ吉
そういうことだね!

もしも、よく転倒する場所が、リビングの広い場所なのに、足よりも先に手が出るタイプの患者さんであれば、完全にミスマッチです。

この場合、ステップ反応を強化するよりも、手摺りを設置するなど、環境面を変える方が実用性が高いといえるでしょう。

バンランス評価が、患者さんの利益になるよう、具体的な能力に着目していきましょうね。

バランスを崩さない行動

バランスの検査は、何もバランスを崩したあとの、リカバリー能力だけがターゲットではありません。

外乱を与えようとする、セラピストの手を払いのけるのも、立派なバランス能力です。

さらに「押すな!」と、威嚇して、自分の身体に触れさせないこともできます。

要するに、自分が苦手とする環境を、作らない、近づかない、このような行動や判断ができることが、バランスを保つために必要なのです。

このような部分も、ぜひ評価して下さい!

おわりに

バランスに関与しない機能なんてないし、バランスの検査項目も多岐に渡っています。

私も、学生時代はバランスに関して、全く理解できていませんでした。

きっと多くの患者さんから学びながら、少しずつ理解を深めていけたのだと思います。

まずは、患者さんの反応から、多くの仮説を立て、それを小まめに検証していきましょう。

バランス反応に正解はありません。

その人に合ったリハビリ訓練、環境作りの一助となれるよう、興味を持って接して頂ければと思います。

ダイ吉
ダイ吉
それでは、上手に患者さんを突き飛ばせられますように。

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