リハビリのゴール設定!具体的なSTGがLTGを実現させる

2019年4月28日

ダイ吉
ダイ吉
プク太くん、今年こそは、運動会の徒競走で1位を取ろうね!
プク太
プク太
いやいや、1位なんて、最初から狙ってもいないから。
ダイ吉
ダイ吉
えぇ、んじゃ目標は何位なの?
プク太
プク太
今年の目標は「頑張ること」にしたんだよね!
ダイ吉
ダイ吉
そんな適当に付けた目標じゃ、ダメに決まっているでしょ!
プク太
プク太
えぇ、なんでさ…。

皆さんは、自分で目標を立てて、達成するための行動をしていますか?

1年目、2年目のセラピストの方は、

 評価できるようになる!

 今よりも治療技術を磨く!

といった目標を立てて、日々、自己研鑽に励む人も多いかと思います。

新人PT
新人PT
僕も、正確な初期評価ができることを目標に、頑張っていますよ。
ダイ吉
ダイ吉
ふむ、目標を立てることは良いことだよね。でも、その目標は、ちょっと問題があるかもね。
新人PT
新人PT
ええ、そうなんですか?

そこで今日は、患者さんに対するゴール設定において、具体的な根拠があり、かつ現実的なものにするためのコツを、解説したいと思います。

学生時代の実習では、具体的なゴール設定が立てられず、発表でふるぼっこされた、苦い思い出をお持ちの方は必見ですよ!

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ゴール設定とは

リハビリでは、患者さんの健康状態や身体機能を、これだけUpさせよう!という意味を込めて、仕上がり像を掲げていきます。

そのためには、患者さんの現在の状況を評価し、主訴やDemandを総合的に勘案し、期間を定めて提示する必要があります。

新人PT
新人PT
これが中々難しくて、いつも先輩に指導されています…。
ダイ吉
ダイ吉
誰でも最初はそうなんだから、慣れるまでは仕方がないよね。

目標の設定って、自分のことですら難しいのですから、他人のこととなれば、さらに難しいのは当然ですよね…。

良いゴールの条件

 痩せる!

 貯金をする!

せっかく目標を立てても、すぐに曖昧になってしまい、気づいたら存在すら忘れていた!なんて珍しくはありませんよね。

きっとそれは、そのゴールの中身が、あまり良くなかったのかもしれません。

では、そうならないために、どのようなゴールを立てるべきだったのでしょうか?

まずは、その中身から解説しましょう!

達成の基準が明確

患者さんへのゴール設定の前に、まずは自分自身のことで考えてみましょう。

新人セラピストの方は、

 どのように成長したいか?

という内容で、自分自身にゴールを設定してみて下さい。

例えば新卒セラピストであれば、

 早く病院に慣れる!

 仕事を多く覚える!

 患者さんに信頼してもらう!

このような目標を、立てることが多いかと思います。

内容はとても良いのですが、何をもってゴールをしたのかが、全く判断できません。

自分が、「慣れた!」、「信頼してもらった!」と思いこめば、その時点で達成となってしまうので、本当かどうかの判断ができません。

ダイ吉
ダイ吉
要するに、「言ったもん勝ち」ってことね。

自分に甘い人、厳しい人で、達成したかどうかが、コロコロと変わってしまうのは、良いゴールだとは言えません。

しかし、陸上選手のように、自己ベストタイムを更新する!といった目標だったらどうでしょう?

この場合、タイムが0.01秒でも上回れば、自己ベスト更新となりますので、誰がどう判断したって、達成度は100%となります。

先程の、ゴールとは全然違い、

 達成したのか? していないのか?

この判別がしっかり出来るのですから、良いゴールだといえますね。

よって、立てたゴールに「達成した瞬間」があるのか、これを確認しましょう。

進捗状況が分かる

立てたゴールに対し、今現在の状況が、どの辺りに位置しているのかを、明確に提示することも必要です。

例えば、患者さんのゴールを、

「4週間で100mを歩けるようにする!」

に設定したとしましょう。

この時点で、1週間後に25m達成し、2週間後には50m歩けている!といった、順調に回復するものだという計画だと仮定します。

でも、3週目で60mしか歩けていないのであれば、全体の60%の時点で、計画に遅れが生じていることに気が付けます。

ダイ吉
ダイ吉
う~ん、少し計画とのズレが出て来ちゃったね!
新人PT
新人PT
でも、早めに気づけましたね。

反対に、予定よりも順調で、3週目の時点で、ほぼ目標を達成してしまうこともあります。

このように、ゴールが数値化されており、具体的な計画を作っておけば、現在のプログラムの妥当性について自己フィードバックできます。

よって、ゴールを設定するときは、現在の進捗状況が分かりやすいものにしましょう。

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期間が提示されている

残念ながら、リハビリは無制限に実施できませんので、ゴール設定にはある程度の目安(期間)が必要になってきます。

一般的には、

 短期目標:Short Term Goal

 長期目標:Long Term Goal

を使って期間を設定します。

期間といっても、初期評価だけで10日後、2週間後など、正確かつ完璧な日数を設定しろ!という訳ではありません。

そんなのは、無理に決まっています。

ゴールを達成するために、具体的な行動がとれるように期間を設定するのです。

明日やる!やっぱ明後日にする!

とならないよう、セラピストに宣言させ、それに伴う行動を取っているのか?という判断ができるようにするためなのです。

でも安心して下さい!

 初期評価時よりも調子が良さそうだ!

 う~ん、このままじゃ達成は厳しいな!

こう思ったら、期間を再設定するだけです。

要するに、ゴールは状況に合わせて、適宜、再設定するものだ!と思って頂いて結構です。

新人PT
新人PT
初期評価で最終的なゴールを立てるのかと思っていました。
ダイ吉
ダイ吉
それは、どんな熟練セラピストでも不可能だよ…、神様じゃないんだからさ。
新人PT
新人PT
そうですよね、安心しました。

はい、ちょっと注目!

Term(期間)の読み方はタームです。

時々ショート・ターンゴール!」と、

ドヤ顔で言われて、微妙な空気が流れることがありますので、是非、注意して頂きたいと思います。

ゴールを達成できない時は

リハビリは生ものですから、当然、予定通りいかないことの方が多いです。

だからといってそのままにせず、しっかりと責任ある対応を取って頂きたいと思います。

原因を考察する

なぜ、ゴールを達成できなかったのか?

これを考察をするために、思い当たるフシがあるものを挙げてみましょう。

・熱発で1週間リハビリを休んでいた

・薬を変えたら逆に体調が悪化した

・初期評価での見通しが甘かった

・そもそも無理なゴールを設定していた

終わってしまったことを悔やむためではなく、残された時間を有効にするため、また次に繋げるために考察するのです。

 どこに間違いがあったのか?

 何が原因だったのか?

これを追求して下さい。

失敗があるならば、そこから学んで次に活かしましょう!

チームでのリカバリー

達成できなかったということは、患者さんにはまだ課題が残っているということです。

その対応…、どうしましょう?

こんな時、一人で責任を背負い込む必要はありません。

 退院後は在宅スタッフに依頼する

 自宅での自主訓練で達成を目指す

 住宅改修で対応していく

など、患者さんやそのご家族、ケアマネを含む在宅スタッフ、デイケアのセラピストなど、あらゆる資源を活用し、100%に満たなかったものを埋めていきましょう。

失敗しない人なんていません。

もし、達成できなかったとしても、放置することなく最後まで行動できるのであれば、きっと患者さんのためになるでしょう。

何も心配いらないと思いますよ!

STGからLTGへ

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

では最後に、私が実践しているゴール設定をご紹介したいと思います。

それはズバリ、Stepの設定です!

これはゴールに合わせて、どのような順序で段階を踏んで行くのか!というものになります。

それでは例を挙げてご説明します。

大腿骨頸部骨折で、人工骨頭置換術後の初期評価耳におけるゴール設定になります。

ざっくり簡単に

 STG:平行棒での歩行自立

 LTG:T字杖を使用した独歩の獲得

と、こんな目標を立てたとします。

この隙間にStepを挟み込んでみると、

1st step 平行棒での立ち上がり自立
2nd step 平行棒内で左右の荷重移動が均一に可能
3rd step 揃い型の歩行から徐々に通常歩行に
S T G 平行棒での歩行自立

前半は平行棒に慣れてもらい、徐々に歩行のイメージをつけるために設定してあります。

4th step 平行棒片手把持での歩行が可能
5th step 平行棒内で3動作1歩行を習得
6th step 近位見守りでT字杖歩行が可能
L T G T字杖を使用した独歩の獲得

後半は平行棒から卒業し、なんとか独歩可能レベルにするといった設定です。

少しずつ階段を昇って行くイメージです。

富士山を昇る時に、最初から最後まで頂上だけを見て進む人なんて居ませんよね。

きっと5合目、7合目と節目を意識して前進していくはずです。

より細かいゴール設定をしておけば、退院までの期間に合わせ、リハビリがやりやすくなるのではないかと思います。

損は無いと思いますので、是非お試し感覚でゴール設定にStepを書き足してみて下さい。

おわりに

リハビリのゴール設定は、難しいですよね。

まずは、自分が1ヵ月後、半年後、1年後、10年後どう成長していくのか、ゴール設定してみることから始めてみましょう。

他人のゴールを設定するなんて、中々できることじゃありません。

まずは、自分で出来るようになりましょう!

ダイ吉
ダイ吉
それでは皆さんが立てるゴールが、具体的かつ現実的なものになりますように!

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