治療プログラム立て方!訓練の内容や回数の正しい決め方

2019年5月4日

ダイ吉
ダイ吉
皆様こんにちは、理学療法士のダイ吉です!

突然ですが、せっかく治療プログラムを立てたのに、その内容について、人から突っ込まれた経験はありませんか?

 なぜ、その方法なの?

 なぜ、その回数なの?

このような質問に対し、何となくという言葉を使わず、論理的に説明できますか?

新人PT
新人PT
実習生のころ、レジュメ発表でフルボッコされた経験が…。
ダイ吉
ダイ吉
うんうん、それって誰しもが通った道だと思うよ。

実は、しっかりとした手順で立てた治療プログラムであれば、運動の強度や回数などは、自然と細かく説明できるんですよね。

そこで今日は、より良いリハビリテーションを提供できるように、治療プログラムの立て方について、解説していきたいと思います。

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治療プログラムとは

リハビリテーションでは、患者さん毎にゴールを設定し、その目標に向かって、治療や訓練を進めていきます。

そのため、治療プログラムは、家の設計図だったり、料理のレシピに該当します。

では、その内容を見てみましょう。

なぜ立てるのか

リハビリは「生もの」ですので、その日のコンディションや、状況により内容は変化しなくてはなりません。

ただし、基盤となるプログラムを決定しておかなければ、治療方針が定まらず、ゴール達成までの道のりが見えづらくなります。

お客さんから食べたいものを聞いて、それから買い出しに行くのではなく、ある程度のメニューがある方が、リハビリ自体がブレないのです。

よって、プログラムというのは、完全に固定されたものではなく、柔軟に変化していくものだと考えておきましょう。

誰が立てるのか

リハビリの原則は、医師が設定した治療を、セラピストが代行することです。

よって理学療法士は、勝手に患者さんを診察し、治療をすることはできません。

でも、余程熱心なリハビリ医でない限り、治療方針や訓練内容については、PT・OT・STに丸投げされているのが現状です。

そのため、診断を受けた患者さんを、理学療法士が評価し、機能の回復や社会復帰を促すための、治療プログラムを立案します。

ただし、その方法は個人によって違います。

同じ症状があっても、

 ・運動療法を優先するセラピスト

 ・物理療法を優先するセラピスト

 ・装具療法を優先するセラピスト

どれを第一選択するのかは、集めた情報、患者さんの状況、その人の価値観など、色々な因子により変化するものです。

ダイ吉
ダイ吉
まずは、自分が立てたプログラムに、自信が持てるようになろう!

失敗するケース

では、リハビリプログラムの決定で、よくみられる失敗のケースを紹介します。

筋力低下で悩む、患者さんがいたとします。

そこで、

 筋力低下の改善目的で筋トレをする!

と、リハビリの目標を立てました。

では、どのような筋トレが良いのでしょうか?

 人によっては、徒手の抵抗運動で行い、 別の人は重錘や鉄アレイを使うかも? さらに、セラバンドを使う人だっています。

さて、あなたはなら、どうやって訓練しますか?

新人PT
新人PT
えっと…、とりあえず徒手抵抗でやってみますかね…?
ダイ吉
ダイ吉
ん、とりあえず?
新人PT
新人PT
いや、ははは…。

何とか答えを考え、絞りだしたとしても、

 んじゃ、回数はどうする?

 んじゃ、何セットやらせる?

 んじゃ、適切な負荷はどれ位?

このように、無限に質問が増えてきます。

そのため、安易に治療プログラムを立てるのは、とても危険だといえますね。

ダイ吉
ダイ吉
プログラムに、何となくとか、とりあえずって言葉は厳禁ね!

そのためには、目の前の患者さんから得られた、事実に基づいた内容だけに、絞っていく必要があります。

う~ん、こりゃ難しいね。

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治療プログラムの立案

それでは、例を出しながら、実際に治療プログラムを立ててみましょう。

可動域に関して

肩関節の動きが悪くて、屈曲の可動域が140°しかない人がいました。

よし、関節可動域訓練をしよう!

となる人が多いかと思いますが、これだと国家資格を持っていない人でも、大して違いはありませんよね。

きっと理学療法士であれば、可動域を制限している原因を、評価していくはずです。

例)屈曲時に筋性の抵抗感があるな!

 → 肩関節伸展筋群をチェック!

 

 → 大円筋や広背筋が固いかも?

 

 → この2つの筋をストレッチしよう!

 

 → その後、160°まで屈曲ができた!

もしもこのように、可動域を改善させる糸口が見えたのであれば、もう治療プログラムは決定していますね。

大円筋や広背筋に行った、ストレッチの方法と、その時間を再現すればOKです。

ただし、3分やって160°まで改善したのであれば、

 5分やったらどうなるの?

 10分やったら180°までいく?

といった、追加の評価をしつつ判断していきます。

もしも、5分やっても160°のままであれば、ストレッチに掛ける時間は、3分で良いと判断できますね。

ダイ吉
ダイ吉
自分が出したい反応が出たら、それが治療プログラムになるってことね。
新人PT
新人PT
なるほど、これなら誰からも文句が出ませんね。

筋力に関して

リハビリの評価で、問題点に挙がる第一位が、筋力低下になります。

 MMTで筋力低下があった!

 大変だ、筋力訓練しよう!

これも、国家資格を持っている人が、行う仕事ではありませんよね。

患者さん自身でも、家族だって出来る内容ですので、このような思考は、少し恥ずかしいですので気を付けましょう。

最初に言っておくと、筋力はそんな簡単にUpしません。

新人PT
新人PT
ええ、そうなんですか?
ダイ吉
ダイ吉
うん、筋力が増えるには、数ヵ月掛かるんだよ。

では、なぜリハビリのプログラムに、筋力訓練を入れるのでしょうか?

それは、筋の発揮を上げたいからです。

人間は、筋肉を使うことで、パワーを発揮するコツを掴むことができます。

そのため、筋力訓練をすると、即時的に力が入りやすくなるんですね。

ダイ吉
ダイ吉
重い物を持って、それを離すと身体が軽くなる感じと一緒だね。

このメカニズムについては、

こちらの記事で触れてます。

よって、筋力訓練のプログラムは、重錘や徒手抵抗など、色々と試した後に、1番良い反応が出たものを選択します。

新人PT
新人PT
抵抗の強さや、セット数もそうやって決定するのですか?
ダイ吉
ダイ吉
もちろん。やったこと全てが、プログラムの根拠になるからね!

もしも、反応が悪くなれば、抵抗を軽くしたり、回数を減らすなど、最適な負荷量を調整して下さいね。

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変化を考察しよう

さて、勘の良い方はもうお気づきだと思いますが、先ほど紹介したプログラムの決定には、治療的診断が入っています。

 これをやったら良くなった

 これをやったら悪くなった

このような変化や結果から、判断をしていく高度なスキルになります。

トップダウン的な考えで、難しく感じるかもしれませんが、訓練すれば誰でも出来るようになります。

そのためには、まず結果を考察することから始めましょう。

 なぜ、マッサージで痛みが減った?

 なぜ、筋トレ後に歩行が遅くなった?

ポジティブな結果も、ネガティブな結果も、面倒臭がらずに、必ず納得がいくまで考察します。

何となく…、が多い人は、このような訓練が圧倒的に不足しているので、とにかく数をこなして慣れていきましょう。

新人PT
新人PT
う~ん、慣れるまでは先輩に相談してみますね。
ダイ吉
ダイ吉
うんうん、ただし丸投げにならないよう、自分の考えも伝えるようにしようね。
新人PT
新人PT
分かりました、やってみます。

回数は10回が良い?

私は、キッキングなどの抵抗運動は、基本10回で終わるようにしています。

なぜ10回で固定しているか?

答えは、「キリが良い」からです。

もしかしたら、9回の方がいいかもしれない、反対に11回の方が効果が高いかもしれない。

しかし、10回で終わる方が、患者さんも頑張れますよね。

セラピストから、

「では、43回蹴って下さい!」

なんて言われたら、その時点でやる気がなくなります。

筋肉を疲れさせたいのであれば、10回でオールアウトするよう、抵抗はMAXにしましょう。

反対に、準備運動であれば、余力が残るよう、軽めの抵抗にします。

よって出したい効果が10回で出せるよう、強度を調整すれば良いのです。

そこで、先輩セラピストの見学中に、

「なぜ10回なんですか?」

って質問してみて下さい。

良いヒントが貰えるかもしれませんね!

ダイ吉
ダイ吉
何て答えるのか、楽しみだね。
新人PT
新人PT
はは、そうっすね。
(ちっ、性格ワリーな…)

おわりに

今まで、なぜ治療プログラムに自信が持てなかのか? その答えは、情報が圧倒的に不足していることだったんですね。

 こうやったらプラスに働いた!

 だったらこれをやろう!

こんな単純な情報を、何個も何個も積み重ねた上で、より適切なものを選択すれば、誰からも文句は言われないのです。

といっても、最初は難しいと思いますので、まずは1人の患者さんに対し、根拠のあるプログラムを1つだけ立てましょう。

その後、スキルが付くにつれて、2つ、3つと増やしていけば良いのですから。

気が付いたら、誰にも文句を言わせない、患者さんに適した、リハビリのプログラムが立てられるようになっています。

是非、頑張ってみて下さい!

ダイ吉
ダイ吉
それでは、充実した治療プログラムが、立てられますように!

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